ごたんだ行政書士事務所

INTERVIEW

代表インタビュー

夜のまち専門行政書士 髙村 直

五反田で夜遊び情報館(いわゆる、風俗案内所)を長年経営する傍ら、大学院に入学しMBAを取得。大学院修了時に執筆した実践知論文「歓楽街を持つ地域の安心なまちづくりモデルの創出」が優秀論文賞を受賞し、学位授与式では総代に選ばれる。
これが自身の人生のテーマとなり、法律初学者から行政書士試験に挑戦。コロナ渦ステイホーム中に猛勉強の末、行政書士試験に合格。現在は、これまでの経験と人脈を活かし「夜のまち専門行政書士」として、ナイト業界に専門特化した行政書士事務所を五反田で経営している。

Interviewer


ActionCOACH ビジネスコーチ 木佐美早織
(ライター名RIO)

~ナイトメイヤー 夜のまちと行政との架け橋として~

この度は、インタビュアーとしてご指名をいただきありがとうございます。
髙村さんとは、ある経営者の会からのご縁ですが、ここ数年お会いしないうちに印象が変わりましたね。現在は行政書士をされているとか?

夜のまち専門の行政書士として活動しています。

経営者の会でお会いした頃は、大学院に通われていましたよね。何か切っ掛けがあったんですか?

ビジネスは順調でしたが、プライベートでは色々と問題を抱えていました。もしかしたら、自分の未熟さが問題を引き起こしているのでは?と、「自分を変えたい」と強く思いました。

「自分を変えたい」そんな思いを持たれる方はいらっしゃるとしても、そこで、大学院への入学を選択される方は、あまりいないのではないでしょうか?

自分をどのようにして変えるかはわかりませんでしたが、一つ形を作ろうと思いました。そんな時に一緒に食事をした夜のお店で働く方から、働きながら社会人大学に通っていることを聞いて、社会人になってからも学び直せることに興味を惹かれました。

当時は、五反田で夜遊び情報館を経営されていましたよね。

夜遊び情報館、いわゆる風俗案内所を経営していましたが、生前今は亡き会長から、いつかは次の道に進めと言われていたこともあり、何か新しいことを模索していました。大学院で2年間しっかり勉強することで、何か新しいことが見つかるのではないかと思いました。

大学院では何を学ばれましたか?

改めて経営学について学びたかったのでMBAコースに挑戦しました。

MBAを取得するのは難しくなかったですか?

普通、MBAというと、マーケティングやファイナンスなどを想像されるかもしれませんが、私は実学というか経営者としての在り方を学びました。クラスでは経営者は私一人だけ。しかも、一番若い。

経営者は一人だけですか。意外に少ないですね。クラスでは、どんな学びがありましたか?影響を受けた教授とか。

社会起業家として有名な田坂広志教授から社会起業家として生きる道を学びました。地域と社会をより良きものにするためには何が必要なのかということなどを徹底的に学びましたが、その中でも仕事の意味を学んだことが大きかったです。これまで自己肯定感が低く自信がなかった私に、自分のこれまでの人生を棚卸しすることをご指導いただき、己を見つめ直し続けました。

自分を見つめ直し続けることで、何か変化はありましたか?

社会の不条理の解決のために自らの職業、やっている仕事で社会に貢献するという志が芽生えました。大学院での2年間は、自分はなぜこの仕事をしているのかを自分に問い続け、田坂教授の教えもあり、私が経営していた夜遊び情報館は客引きやボッタクリからお客様を守ることが使命であり、これも地域と社会をより良きものにするための活動のひとつなのではないかという思いに至りました。

自分に問い続けることは大切ですよね。志が芽生えたと同時に、今までの髙村さんのお仕事の意義を再確認できたのではないでしょうか。その他にも、何か学ばれたことはありますか?

まちづくりですね。地域の成り立ちを学ぶため、他の先生方について色々な地方を訪れ、過疎地にも行きました。そこから「歓楽街をもつ地域の安心なまちづくりモデルの創出」という、私の人生のテーマとなった論文が生まれました。

いよいよ今回の本題である行政書士についてお聞きします。行政書士になろうと思った切っ掛けは何でしたか?

夜のまちと行政とを繋ぐ架け橋になるという私の思いを知っている経営者仲間や士業の大先輩などからの後押しが切っ掛けです。行政書士というのは、街の法律家といわれていて市民と行政との間に立って手続きを代行するお仕事です。ただ、書類を作成するのではなく、お客様のお悩み事を聞いて、ご相談にのる。そして書類を作成して行政に通す。「なんて素晴らしい。これは天職になるのではないか!」と思いました。ましてや、国家資格として、これらは独占業務として国から守られているというのも魅力でした。

公的手続きのスペシャリストといわれている行政書士ですが、試験勉強はどのぐらいされましたか?

行政書士試験に合格して、夜のまち専門の行政書士になると決めてからは、1年間猛勉強をしました。元々、携帯依存症だったのですが、スマホとも距離を置き、家族との旅行先でも勉強しました。その結果、一発で行政書士試験に合格しました。(※実はその前の年に願書だけは出しています)

素晴らしい!

合格発表後、直ぐに行政書士事務所を開業しました。最初から風俗業界を得意とする夜のまち専門の行政書士になることを決めていたことや、そもそも経営者との人脈が多かったこともあり、開業前から何件もお仕事の依頼が待ってくれている状況でした。

行政書士としての基本的な知識に加え、その業種の専門的な知識も必要となることから、多くの行政書士は自身の得意分野を持たれるようですね。

専門分野、得意分野は当然、風俗業界です。風営法というのは、一般的に大きく2つに分かれます。キャバクラなどの「飲み屋さん系」とデリヘルなどの「性風俗系」です。特に私は、性風俗のスペシャリストだと思っています。性風俗以外では、コンサルティングを含めた法人設立サポートを得意としています。私は、自分自身が会社経営を長年してきていますので、法人設立に伴う様々なアドバイスができると自負しています。あとは、補助金、支援金、協力金などの申請代行に関しても非常にご依頼が多く、採択率は100%に近いです。

普段、どのような案件やご相談が多いですか?

今だけの(2022年3月現在)流行りものですが、補助金、支援金は多いです。事業復活支援金も毎日何件も申請のお手伝いをしています。風営法関係では、お店を立ち上げたいという案件が多いです。他には、既存店が深夜までお酒を出せるようにしたいという案件もあります。あとは、性風俗で最近多いのが映像送信型といって、いわゆるアダルト動画の配信です。コロナ渦の影響からかアダルト動画の配信を開始される方が増えています。性的好奇心を刺激するような動画を流すには警察に届出をすることが必要なことを案外知らない方が多く、全国各地から慌てて飛び込んでこられるお客様も多いです。

ご相談だけでも大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。

ご相談した場合、どの段階で料金は発生しますか?

ケースバイケースです。例えば、「営業許可証ができました」「警察への届出確認書ができました」と、その公的書類を納品する時に請求書をお渡しします。基本的にはお仕事が完了してから請求書をお渡ししますが、一部前金、着手金をいただく場合もあります。ご相談だけなら、基本的に無料です。

行政書士のお仕事の他にも、何か事業をされていますか?

ごたんだ行政書士事務所を開業して、風俗の専門、夜のまち専門、ナイト業界・アダルト業界専門の行政書士として活動していますが、それとはまた別に、株式会社ザ・ベストサービスというビルメンテナンス業の会社の代表取締役もつとめています。現在は15期目(2022年2月現在)です。事業は、夜遊び情報館を運営していたこともありますし、人材派遣業をしていたこともありますが、現在は、ビルメンテナンス業のみです。

お仕事以外で、何か活動されていますか?

公益社団法人東京青年会議所品川区委員会に入っています。JCですね。行政書士とも似ていて、地域やまちの課題を解決するために、行政に働きかける地元経営者団体です。その他には、五反田一丁目町会に入っています。私の事務所は五反田有楽街のある東五反田一丁目に存在します。私はこの場所に対する思いが人一倍強いのです。何かできることはないのかという思いから、毎月第4週目の日曜日に五反田駅前の清掃活動に参加しています。夏には、町会の花壇にひまわりを植えます。

毎月第4週目の日曜日に五反田駅前の清掃活動に参加し町会の花壇にひまわりを植えています。

これまでの流れでも、髙村さんの五反田に対する強い思いが伝わってくるのですが、なぜ五反田なのでしょうか? そもそも、夜の五反田のまちに関わるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

夜の世界とは全く縁のない家庭環境で育ちました。高校2年の時に、たまたま父が読んでいた「不夜城」という小説を私も読んでみて、「なんてすごい世界があるんだ」と思いました。当時、地方の狭い世界にいた17歳の私は、とても刺激を受けました。それが夜の世界に興味を持つきっかけになったのかもしれません。普通は興味を持っただけで終わりですが…

特に多感な頃は、小説や映画から影響を受けることってありますよね。実際に夜の世界に行かれたのはいくつの時でしたか?

大学3年の冬でした。大学を卒業したら地元に帰ることになっていましたので、大学最後の1年間は夜のアルバイトをしてみようと思いました。アルバイト情報誌を見て面接に行った五反田のキャバクラでは採用にはなりませんでしたが、面接の担当者が、当時できたばかりの五反田の風俗案内所を紹介してくれました。そこでのアルバイトが夜の世界へ足を踏み入れる切っ掛けです。

新宿ではなく五反田に縁ができたわけですね。実際に働いてみてどうでした?

風俗案内所でのアルバイトはとても楽しく、周りからの評価も高かったです。それまで自己肯定感が低かった自分が、一番輝いた1年でした。アルバイトの最終日には、案内所にたくさんの花束やビールケースが届き、親しくしていたお店からはシャンパンの飲み放題付のご招待もあり、現金やスーツもいただきました。

最終日が、五反田での髙村さんの1年間を全て物語っていますね。五反田から離れることは寂しくなかったですか?

アルバイトの最終日が近づくにつれて、自分を認めてくれた五反田の夜の環境から離れ難くなりました。地元へのUターン就職が難しかったこともあり、親戚が役員を務める大手老舗企業への就職が決まり、東京に残ることができました。一旦は、その大手老舗企業に就職したものの3か月後には退職し、再び五反田に戻ってきました。そして、以前の風俗案内所で半年間アルバイトをした後、自分で事業を始めました。

せっかく就職した大手老舗企業を辞めて五反田に戻って来られたのはなぜですか?

自己肯定感が低かった自分が周りから評価され、一番輝いていた五反田での原体験が忘れられなかったからです。多分、歌舞伎町ではあんなに輝けなかったと思います。自信のなかった自分を認めてくれたこのまちに恩返しをしたい気持ちが強かった。今でも、その気持ちは変わりません。

高村さんの五反田への思いを一言で表すとしたら何ですか?

自己肯定感を高めてくれた初めての場所であり、原体験となった恩返しの場所です。

お仕事や五反田の話に集中しましたが、お休みの日は何をされていますか?

最近はSPA巡りにはまっています。湯につかっている時は無になることができるので、色々な思考をいったんクリアにするには、とても大切な時間です。いわゆる瞑想状態ですね。

思考をいったんクリアにする時間を意識的に作ることは大切なことですね。最後に、高村さんのこれからの目標は何ですか?

これからも、地域、場所に根ざした、五反田の小さなまちの法律家として活動していくことです。近い将来は、事務所は路面店にして、ふらっとお茶飲みに来てくれるようなアットホームな場所にしたいです。私が五反田で最も尊敬する老舗写真館「岡崎写真館」のような存在が理想です。行政書士業務に限らず、「確定申告をするけど、誰かいい税理士知らない?」とか、「離婚しようと思っているけど、いい弁護士いない?」とか、「美味しい店を知らない?」とかの声に、私の豊富な人脈を活用し、情報発信していく。それがこれから目指すイメージです。場所を作るだけではなく、私自身が人間的に成長し続け、関わる人たちとの関係作りも大事にしていきたいです。

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