深夜酒類提供飲食店営業の必要書類・届出方法

深夜酒類提供飲食店営業

深夜にお酒を提供する飲食店を開業する際には、通常の飲食店営業許可に加えて「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要と風営法で定められています。この記事では、深夜酒類提供飲食店営業の要件、必要書類、届出の流れについて解説します。

執筆者
高村直

夜のまち専門の行政書士として、ごたんだ行政書士事務所を運営。顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、映像送信型性風俗特殊営業の届出は全国累計700件以上(令和7年8月時点)、無店舗型性風俗特殊営業の届出なども多数の実績を持つ。

高村直をフォローする

深夜における酒類提供飲食店営業とは?

そもそも、「深夜における酒類提供飲食店営業」とは何かについてまず解説します。

営業形態

「深夜における酒類提供飲食店営業」とは、午前0時から午前6時までの深夜時間帯に、主として酒類を提供して客に遊興させない飲食店営業のことを指します。

居酒屋やバーのようにアルコール提供を中心とする業態は該当します。一方で、深夜営業しているファミリーレストランやラーメン店でもお酒を提供していることがありますが、これらは食事提供がメインの営業形態ですので届出は不要です。ナイトクラブ等は「特定遊興飲食店営業」にあたり、「深夜における酒類提供飲食店営業」にはあたりません。

用途地域

用途地域とは、土地の用途や目的を区別するもので、13種類に分けられています。このうち住居地域に指定されている場所では、深夜酒類提供飲食店を営業することができません。(東京都の場合)

物件を契約する前に、必ず市町村のホームページや都市計画課で用途地域を確認しましょう。

店舗の構造に関する制限

深夜酒類提供飲食店は風営法のルールが適用されるため、店舗(営業所)の構造についても要件があります。下記が一般的な条件になります。(地域によって異なる場合もあるので、詳細は店舗がある地域を管轄する警察署に確認する必要があります。)

  • 客室の床面積が1室9.5㎡以上であること(ただし、客室が1室のみである場合は除く)
  • 客室の内部に見通を妨げる設備を設けないこと
  • 善良・清浄な風俗環境を害する恐れのある装飾その他の設備を設けないこと
  • 客室の出入り口に施錠設備を設けないこと(営業所外に直接通じる客室の出入り口は除く)
  • 営業所内の照度が20ルクス以上であること
  • 騒音や振動の数値が各地域の条例で定める数値に満たないこと

営業にあたっての注意事項

営業の際は下記の点に注意が必要です。

接待行為の禁止

接待を中心とした営業形態の場合、深夜営業はできません。風俗営業の1号営業の許可を取得する必要があります。ガールズバー、コンカフェ等が該当するかは営業スタイルに合わせて、よく検討する必要があります。昨今、風俗営業許可を取得せずに、深夜営業の届出で営むガールズバー、コンカフェ等の摘発が相次いでいます。

遊興について

客に遊興させるような営業は「特定遊興飲食店営業」にあたるので注意しましょう。下記のような行為がここでいう遊興にあたります。

  1. 不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
  2. 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
  3. 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
  4. のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
  5. カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
  6. バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為

未成年者への対応

下記の行為は禁止されています。

  • 22時から翌日6時までの間に18歳未満の者を業務につかせること
  • 22時から翌日6時までの間に18歳未満の者を客として立ち入らせること
  • 20歳未満の者に酒やタバコを提供すること

従業者名簿の備え付け

スタッフの情報を記載した従業者名簿を店舗に備え付けなければなりません。記載事項は、住所、氏名、性別、生年月日、本籍(外国籍の場合は国籍)、採用年月日、退職年月日、従事する業務の内容です。

従業者名簿は、スタッフが退職した後も3年間は保管する義務があります。接客従業者の場合は、住民票又はパスポート等、本籍地がわかるものも一緒に備え付けておく必要があります。(※外国籍の方は在留カードで就労資格も確認してください)

弊所にご依頼いただいたお客様には従業者名簿の雛形も提供しております。

無届で営業した場合の罰則

深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要なのに届出をせずに営業した場合、50万円以下の罰金に処される可能性があります。指導を受けたにもかかわらず届出を怠り続けた場合、罰金のほか、最長6か月の業務停止命令が出ます。

必要書類

深夜における酒類提供飲食店営業開始の届出には、以下の書類が必要です。(地域によってローカルルールがある場合があります)

深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書

届出書には、申請者の氏名や住所、店舗の名称や住所、建物・店舗の構造などを記載します。

下記の様式で、警視庁のHPからダウンロードできます。

深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用
深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用

営業の方法を記載した書類

こちらでは、未成年者への対応や飲食物・酒類の提供などについて記載します。

営業の方法を記載した書類の記載例
警視庁のHPより記載例を引用
営業の方法を記載した書類の記載例
警視庁のHPより記載例を引用

営業所の使用権限を証明する書類

営業所(店舗)の賃貸契約書の写しや使用承諾書を求められる場合があります。

飲食店営業許可証の写し

深夜酒類提供飲食店を始める際には、事前に飲食店営業許可を受ける必要があります。深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書を提出する際にも、飲食店営業許可の写しが求められます。

営業所の図面など

営業所の平面図、求積図、照明・音響設備図などを用意します。

住民票

個人の場合は申請者本人の本籍地入りの住民票を提出します。法人の場合は役員全員の住民票に加え、定款と登記事項証明書が必要です。

その他

地域によって追加で求められる書類があります。下記はその例です。

  • 用途地域の証明書
  • メニュー表の写し
  • 営業所周辺の地図

届出の流れ

飲食店営業許可の取得

飲食店営業許可を取得したあとに深夜酒類提供飲食店営業の届出をします。飲食店営業許可は一般的な飲食店を営業するために必要な許可のことで、深夜酒類提供飲食店においても取得が必須です。深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書を提出する際にも、飲食店営業許可の写しが求められます。

深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書の提出

飲食店営業許可を取得できたら、次に深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書を作成し、その他の資料なども添えて警察署に提出することになります。

提出先は営業所を所轄する警察署です。警察署によっては事前予約が必要な場合もありますので、確認してから訪問しましょう。

どのような基準で受理されるのか、警察庁の解釈や風営法のルールについて把握しておく必要があります。

届出の10日後から営業が可能

書類が受理されると、受理された日の翌日から起算して10日後より営業を開始することができます。受理されればすぐに営業できるわけではなく、10日後からとなっていますので注意が必要です。

そのため、オープン予定日が決定している場合には、必ず余裕を持って届出を行うことが大切です。新規の届出の場合、深夜酒類提供飲食店営業開始届だけでも10日程度の日程が必要になります。さらに、その前には飲食店営業許可の取得も必要ですので、全体で数週間はかかることを想定しておきましょう。

営業を変更・廃止する場合

営業を変更又は廃止する場合もその旨を記載した届出を提出する必要があります。これを提出しないと30万以下の罰金に処される可能性があります。変更届でよくある例としては、個人・法人ともに営業者様の住所変更が多いです。あとはお店の名前の変更も考えられるでしょう。

深夜酒類提供飲食店営業のご相談はごたんだ行政書士事務所まで

ごたんだ行政書士事務所は顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、風営法に特化して運営しております。届出にあたり、専門的な作業(製図)だったり地域のローカルルールに対応して警察署とやりとりするなど、ハードルが高い部分も多いので、届出でお悩みの方は是非ごたんだ行政書士事務所にご相談ください。

▶︎お問い合わせはこちらから

本記事の内容を無断転載することは禁止しております。引用の際は出典元として当サイト名とURLを明記してください。