アミューズメントカジノ(ポーカーバー)の開業に必要な風営法の手続きは?

風俗営業5号

ポーカーブームを受けて、アミューズメントカジノやポーカーバーの開業を検討する方が増えています。しかし、日本でこうした施設を合法的に運営するには、風営法に基づく厳格な手続きが必要です。この記事では、開業に必要な許可申請の流れと重要なポイントを解説します。

執筆者
高村直

夜のまち専門の行政書士として、ごたんだ行政書士事務所を運営。顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、映像送信型性風俗特殊営業の届出は全国累計700件以上(令和7年8月時点)、無店舗型性風俗特殊営業の届出なども多数の実績を持つ。

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アミューズメントカジノの開業には風営法5号営業許可が必要

アミューズメントカジノは、海外のカジノのように現金を賭ける場所ではなく、技術や遊戯そのものを楽しむための「遊技場」です。風営法では「第5号営業(遊技場営業)」に分類され、ポーカーテーブル、スロットマシン、ルーレットなど「射幸心をそそるおそれのある遊技設備」を設けて客に遊ばせる営業を指します。

営業を開始するには風営法5号の営業許可を取得する必要があります。

※実際に開業する際、飲食物も提供する場合は保健所に飲食店営業許可の申請も必要です。

風営法5号営業許可の必要書類

基本的に必要な書類は下記になります。(地域によって異なる場合はあります)

  • 許可申請書
  • 営業の方法を記載した書類
  • 営業所の平面図、求積図、周囲の略図
  • 住民票の写し(本籍地記載)
  • 身分証明書(市区町村長発行、破産者でないことの証明)
  • 誓約書(人的欠格事由に該当しない旨など)
  • 建物の使用権原を証する書類(賃貸借契約書、使用承諾書、登記簿謄本等など)
  • 法人の場合は、定款、登記事項証明書、役員名簿

使用承諾書は、家主が「風俗営業」を行うことを承諾している旨を明記した書類が必要です。単なる賃貸借契約書だけでは不十分で、契約前に家主の理解を得ておきましょう。

場所的要件

開業準備で慎重に検討すべき点は営業所の場所です。風営法は営業所の設置場所を厳格に制限しています。

用途地域による制限

都市計画法に基づく用途地域のうち、住居系の地域では原則として風俗営業は認められません。一般的には「商業地域」や「近隣商業地域」が適地ですが、自治体の条例で上乗せ規制がある場合もあるため、必ず確認が必要です。

保全対象施設からの距離制限

用途地域が適合していても、学校、図書館、病院、児童福祉施設、特別養護老人ホームなどの「保全対象施設」が周囲にある場合、許可取得は困難です。

店舗の構造・設備要件

風営法の許可を得るためには、警察官による現地調査をパスしなければならないです。警察による現地調査では、図面と実態が1センチ単位で照合されます。

1メートルルールと見通しの確保

客室内に高さ1メートル以上の仕切り、パーテーション、家具、背の高い観葉植物などを設置することは禁止されています。ポーカーテーブル周辺の設備や椅子の背もたれも、この基準を超えないよう設計する必要があります。

照度基準

店内の明るさは「10ルクス以上」を維持しなければなりません。また、明るさを自由に変えられる調光器の設置は原則禁止されています。

その他の設備要件

客室の出入口に客が中から鍵をかけられる設備を設けることは禁止です。VIPルームであっても、警察官や管理者が即座に内部を確認できる状態でなければなりません。

遊戯設備には、紙幣挿入装置や現金提供装置を備えてはいけません。

「10%ルール」の実態

「遊技設備の面積が客室面積の10%以下であれば許可不要」という話を聞くことがありますが、小規模なポーカーバーでこのルールを適用するのはかなり難易度が高いです。

遊技設備の面積は、設備が占める面積の「おおむね3倍」で算定されます。標準的なポーカーテーブル1台の場合、算定面積は約7.26平方メートルとなり、これが客室面積の10%以下となるには、客室だけで72.6平方メートル以上が必要です。一般的な小規模バーの面積は40〜60平方メートル程度なので、かなり大きい物件が必要になります。

営業上の注意点

風営法違反以上に恐ろしいのが、刑法の賭博罪に問われることです。2025年後半には警視庁による大規模摘発が行われました。

換金・景品提供の厳禁

チップやメダルを現金に換金すること、あるいはタバコ、酒、次回のゲーム参加券、Amazonギフト券などの景品に交換することは一切禁止です。店外の別業者を介する「三店方式」も違法とみなされる可能性が極めて高く、勝敗によって客の財産に得喪が発生する仕組みがあれば「賭博」となります。

チップ管理の適正化

風営法は、遊技用メダルやチップを客に営業所外へ持ち出させることを禁止しています。使い切れなかったチップは店側が預かる形を取りますが、「預かり証(紙のチケット)」を発行してはいけません。預かり証自体が店外で譲渡され、現金と同じ価値を持って流通するリスクがあるためです。

適正な運営のためには、顧客台帳への記入、ICカードやスマホアプリなどの電子的な会員システムでデータ管理する必要があります。

アミューズメントカジノの開業相談はごたんだ行政書士事務所まで

アミューズメントカジノの許可申請は、図面作成の精度、警察との交渉、「接待」の定義を巡る解釈など、専門知識が必要な局面が多くあります。

専門家の活用により、保全対象施設の見落としによる不許可リスクの低減、精密な図面作成による審査のスムーズ化、警察や行政機関との適切な折衝などのメリットがあります。

ごたんだ行政書士事務所は顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、風営法に特化して運営しております。届出にあたり、図面作成や警察との交渉などハードルが高い部分も多いので、届出でお悩みの方は是非ごたんだ行政書士事務所にご相談ください。

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