映像送信型性風俗特殊営業とは?必要書類や届出の流れを解説

映像送信型性風俗特殊営業

近年、個人でも簡単に性的コンテンツを販売できるプラットフォーム(Fantia、MyFansなど)ができ、そうしたプラットフォームを活用して収益をあげる方が増えています。

そうした事業は風営法として映像送信型性風俗特殊営業と定義されており、警察署への届出が必要になります。無届営業の罰則は「六ヶ月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められているので、対象者は届出をしましょう。

この記事では映像送信型性風俗特殊営業における届出対象者、必要書類、届出の手順について解説します。

執筆者
高村直

夜のまち専門の行政書士として、ごたんだ行政書士事務所を運営。顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、映像送信型性風俗特殊営業の届出は全国累計700件以上(令和7年8月時点)、無店舗型性風俗特殊営業の届出なども多数の実績を持つ。

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映像送信型性風俗特殊営業とは?

映像送信型性風俗特殊営業について風営法第二条の8では下記のように定義されています。

「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

簡単に言えば、インターネットで性的なコンテンツを提供して収益をあげることを指します。「映像」とありますが、ここでいう「映像」は画像、動画、ライブチャットなども含みます。

例を挙げると下記のような営業が該当します。

  • 同人AVのネット販売
  • アダルト動画配信サイトでのコンテンツ販売
  • ライブ配信プラットフォームでの性的映像の配信
  • ファンクラブサイトでの性的コンテンツ販売

映像送信型性風俗特殊営業の定義について詳細に説明すると下記の要件を満たすものになります。

映像の内容

対象映像の内容は「性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態」です。「性的な行為を表す場面」とは、自慰行為、性交、性交類似行為などを行っている人の様子や光景のことを指します。

「衣服を脱いだ人の姿態」とは、全裸又は半裸など、社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態をいいます。一般的な判断基準としては、通常の外出時の服装であればこれに該当しませんが、それよりも露出が激しければ該当すると考えられます。

透明又は半透明の材質により作られた衣装などを着用している場合でも、社会通念上人が着用する衣服とは認められないものは「衣服を脱いだ人の姿態」に該当します。ただし、通常の水着を着用した姿態は該当しません。

性的部分の割合

「専ら」とは、風営法においておおむね7割から8割程度以上を意味し、映像の中で性的部分がこの程度のものが該当します。この判断は、営業を営む者の意図及び営業の実態を踏まえて行われます。

なお、ホームページを複数のセクションに分割し、その一部でアダルトコンテンツを配信している場合、当該セクションについて別料金を設定しているなどの事情がない限り、ホームページ全体を通じて「専ら」当該映像を見せているかどうかが判断されます。

映像の目的

映像の目的が「客の性的好奇心をそそるため」であることも要件となります。「客の性的好奇心をそそるため」とは、客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるものを指します。具体的には、以下のような内容が映像全体の約2割程度含まれている場合に該当すると判断されます。

衣服を脱いだ人の姿態として:

  • 大腿部を開いた姿態
  • 陰部、臀部又は胸部を誇示した姿態
  • 自慰の姿態
  • 排泄の姿態
  • 愛撫の姿態又はこれを連想させる姿態
  • 緊縛の姿態

性的な行為を表す場面として:

  • 男女間の性交又は性交を連想させる行為
  • 強姦、輪姦その他のりょう辱行為
  • 性交類似行為
  • 変態性欲に基づく性行為

映像の形式

対象となる「映像」には、動画や静止画が含まれます。また、対象はあくまで”人”です。そのため、アニメ・イラストなどは対象外です。AIに関しては、実在する人と人とを掛け合わせたものである場合、”人”として見做すと、警視庁本部の見解をいただいております。リアルタイムで配信するライブ配信チャットなども含まれます。

営利性

風営法は映像送信型性風俗特殊「営業」を対象としているため、営利性が必要とされます。上記で説明した映像を提供することに対して収益をあげていることも要件となります。

映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要な対象者

届出が必要な対象者について、プラットフォームを利用して収益を得ている場合、プラットフォーム運営者が届出をしていればその利用者の届出は不要ではないかといった論点がよくあります。

結論として、プラットフォーム運営者の届出に関係なく、プラットフォームを利用して性的コンテンツを販売する場合、映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要になります。

風営法第三十一条の七では、「映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者」が届出をしなければならないと記載されています。

映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者は、事務所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。

プラットフォームとクリエイターの関係はビルのオーナーとテナント、楽天市場のようなECモール運営会社と出店者のようなものです。ビルのテナントを借りて飲食店を営業する場合、テナント側が営業許可を取得する必要があるように、プラットフォームを利用して性的コンテンツを販売するクリエイターが届出をする必要があります。

映像送信型性風俗特殊営業の届出に必要な書類

映像送信型性風俗特殊営業の必要書類は下記です。

  1. 映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書
  2. 営業の方法を記載した書類
  3. 事務所の使用について権原を有することを疎明する書類
  4. 住民票の写し(個人の場合)
  5. 定款、登記事項証明書及び役員に係る住民票の写し(法人の場合)

※こちらはあくまで最低限全国共通で必要な書類であり、各都道府県公安委員会・各警察署によって、追加書類を求められる場合があります。

それぞれの書類について詳細を解説していきます。

映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書

こちらが基本となる届出書になります。記載する事項は下記です。

  • 氏名又は名称及び住所(法人の場合はその代表者の氏名)
  • 広告宣伝する際の呼称
  • 事務所の所在地
  • 映像を伝達する際のURLなど
  • 映像を保管するサーバーの設置場所

下記の様式で、警視庁のHPからダウンロードできます。

映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用
映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用

営業の方法を記載した書類

広告宣伝の様態や18歳未満の者を客としないための対策方法を記載します。こちらも届出書と同様に指定の様式が警視庁のHPからダウンロードできます。

営業の方法を記載した書類の記載例
警視庁のHPより記載例を引用

事務所の使用について権原を有することを疎明する書類

届出にあたり、営業の本拠となる事務所を定め、法的根拠をもってその事務所を使用できる権利があることを示す必要があります。賃貸物件であれば基本的に下記の書類を提出します。

  • 建物の登記簿謄本
  • 賃貸借契約書
  • 使用承諾書

通常、一般の賃貸マンションなどの賃貸借契約書では使用目的が居住のみとなっているのでこれだけでは映像送信型性風俗特殊営業の事務所として使用できる権利があるとは言えません。使用承諾書は物件の所有者から映像送信型性風俗特殊営業の事務所として使用することを承諾してもらう書類になります。しかし、ほとんどの賃貸においてこの承諾はされないのが実態です。

こういった場合、レンタルオフィスを借りるというのも選択肢になります。弊所では全国約20軒の使用承諾書発行可能なレンタルオフィスと提携しており、物件が見つからない方にご紹介しております。

自己所有物件であれば建物の登記簿謄本だけで基本的には問題ありません。

映像送信型性風俗特殊営業の事務所の要件についてはこちらの記事で解説しております。

住民票の写し(個人の場合)

個人で届出をする場合、その個人の本籍が記載された住民票の写しが必要です。写しとはコピーされたものでなく、役所に保管されている原本に記載されている事項を写したものになります。

定款、登記事項証明書及び役員に係る住民票の写し(法人の場合)

法人で届出をする場合、定款、登記事項証明書、役員全員分の本籍が記載された住民票の写しが必要になります。

映像送信型性風俗特殊営業の届出の流れ

映像送信型性風俗特殊営業の届出の流れは下記の通りです。届出は、営業開始日の10日前までに行わなければなりません。

  1. 事務所の確保
  2. 必要書類の収集・記入
  3. 営業の本拠となる事務所所在地を管轄する警察署へ届出提出
  4. 届出確認書の受け取り

提出する書類に不備がなければ届出を提出した日に受領書を受け取ります。受領書を受け取ってから10日後以降から営業が可能になります。届出提出から届出確認書の受け取りまでの期間は各警察署によって異なります。東京都だと2週間ほどです。早いところだと即日、遅いところだと1ヶ月かかるところもあります。

また、届出はURL(アカウント)ごとにしなければなりません。Fantia、MyFansなどのプラットフォームでアカウントがあり、そのアカウントで性的コンテンツを販売している者は各プラットフォームのURL(アカウント)ごとに映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要になります。例えば、Fantiaでアカウントが2つ、MyFansでアカウントが1つある場合は合計で3つ届出が必要になります。

映像送信型性風俗特殊営業の変更届

営業開始後に届出書の内容から変更がある場合、変更届出書の提出が必要になります。よくある変更事項は個人の住所の変更、法人の住所の変更並びに代表者の変更などです。呼称名の変更と、事務所の変更も変更届の対象です。

URLの変更をする方も多いのですが、映像送信型性風俗特殊営業の届出はURL(アカウント)ごとになるので、変更ではなく新規の届出が必要になります。元々のURLで提出していた届出は廃止し(廃止届を提出します)、新しいURLで提出しなおします。

また、個人から法人に変更することもできないので、その場合は新名義で新たに届出を出して、その後、旧名義の廃止届を出します。無届の期間が生まれないように、新名義の届出と旧名義の廃止届の順番を逆にしないよう注意が必要です。

変更届出書を提出する際は下記の書類が必要になります。(※変更内容によって異なります)

  • 変更届出書
  • 届出確認書(原本)
  • 個人の住民票の写し(改姓又は住所が変更した場合と法人代表者が変更した場合)
  • 履歴事項全部証明書(法人の名称、所在地、代表者が変更した場合)

事務所を変更した場合は下記の書類も必要です。

  • 使用承諾書
  • 賃貸借契約書
  • 建物の登記簿謄本

変更届出書も届出書と同様、警視庁のHPからダウンロードできます。

変更届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用
変更届出書の2枚目
警視庁のHPより引用

※受付所や待機所に関しては映像送信型性風俗特殊営業の場合は記載不要です。

映像送信型性風俗特殊営業の廃止届

廃業する場合は、廃止届出書に廃業理由を記載して提出します。URLの変更や個人から法人への変更の際は、こちらの廃止届出書の提出をもって旧届出の内容を破棄し、新しい内容で届出を再度提出します。

こちらも警視庁のHPからダウンロードできます。

変更届出書の記載例
警視庁のHPより記載例を引用

映像送信型性風俗特殊営業の届出代行はごたんだ行政書士事務所まで

ごたんだ行政書士事務所では全国累計700件以上(令和7年8月時点)の映像送信型性風俗特殊営業の届出を代行してまいりました。全国各地から様々な依頼を受けてきた経験があり、使用承諾書発行可能なレンタルオフィスのご紹介も可能です。映像送信型性風俗特殊営業の届出を検討している方は是非ご相談ください。

▶︎映像送信型性風俗特殊営業の届出代行サービス

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