雀荘(麻雀店)を開業するには、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく許可が必要です。この記事では、雀荘の開業に必要な手続きと要件について、詳しく解説します。
雀荘の開業には風俗営業4号許可が必要
雀荘の営業は、風営法における「風俗営業4号」に該当します。風俗営業4号とは、「麻雀屋、パチンコ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」と定義されており、雀荘を開業する際には、必ず事前にこの許可を取得しなければなりません。許可を受けずに営業を行うと、無許可営業として処罰の対象となります。
風営法4号の許可は、営業所ごとに申請が必要です。複数の店舗を運営する場合は、それぞれの営業所について個別に許可申請を行わなければなりません。また、許可を取得してから営業を開始する必要があるため、開業準備の段階で余裕を持って申請手続きを進めることが重要です。
風俗営業4号許可の必要書類
風俗営業4号の許可申請には、多くの書類を準備する必要があります。東京都の場合は下記になります。地域によって異なる場合もありますが、基本的な必要書類は同じです。
基本となる申請書類
まず、すべての申請者に共通して必要となる基本書類は以下の通りです。
許可申請書
申請の基本となる書類です。営業者の氏名または名称、営業所の所在地、営業の種別などを記載します。下記の様式で、警視庁のHPからダウンロードできます。


営業の方法を記載した書類
具体的な営業形態、営業時間、遊技料金の計算方法などを明記します。こちらも警視庁のHPからダウンロードできます。


営業所の使用について権原を有することを疎明する書類
賃貸契約書、使用承諾書、建物に係る登記事項証明書などが該当します。営業所として使用する権利があることを証明する必要があります。
営業所の平面図及び営業所の周囲の略図
営業所の内部構造を示す平面図と、周辺環境を示す略図を提出します。平面図には、客室の配置、麻雀台の設置位置、照明設備などを正確に記載する必要があります。
申請者が個人の場合に必要な書類
申請者が個人事業主として開業する場合は、以下の書類も必要です。
住民票の写し
申請前6ヶ月以内に取得したもので、本籍地が記載されている必要があります。外国人の場合は国籍記載のものを用意します。
風営法第4条第1項各号(第7号及び第12号を除く。)に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
欠格事由に該当しないことを誓約する書類です。
市区町村の発行する身分証明書
破産者でないことなどを証明する書類です。運転免許証やマイナンバーカードとは異なる、本籍地の市区町村が発行する証明書を指します。
申請者が法人の場合に必要な書類
法人として開業する場合は、個人の場合とは異なる書類が必要となります。
定款及び登記事項証明書
会社の基本的な情報を証明する書類です。
風営法第4条第1項第7号及び第13号に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
法人としての欠格事由に該当しないことを誓約します。
風営法第4条第1項第7号イからハまでに掲げる法人を記載した書面
密接な関係を有する法人について記載します。
株主名簿の写し(申請者が株式会社の場合)
出資者の構成を明らかにするための書類です。
役員に係る住民票の写し
すべての役員について、本籍地が記載された住民票を提出します。
役員に係る市区町村の発行する身分証明書
各役員が破産者でないことなどを証明します。
風営法第4条第1項第1号から第6号まで及び第8号から第10号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
各役員が欠格事由に該当しないことを誓約する書類です。
管理者に関する書類
営業所には管理者を選任する必要があり、以下の書類が必要です。
誠実に業務を行うことを誓約する書面
管理者が適切に業務を行うことを誓約します。
住民票の写し
管理者本人の本籍が記載されている住民票です。外国人にあっては国籍記載のものになります。
市区町村の発行する身分証明書
管理者が破産者でないことなどを証明します。
風営法第24条第2項各号に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
管理者としての欠格事由に該当しないことを誓約します。
管理者の写真2枚
申請前3ヶ月以内に撮影した、無帽・正面・上三分身・無背景の縦3.0センチメートル、横2.4センチメートルの写真で、裏面に氏名及び撮影年月日を記入したものを用意します。
雀荘の営業上の注意
風営法4号の許可を取得した後も、営業を行うにあたっては様々な規制を守る必要があります。
営業時間の制限
すべての風俗営業は、原則として午前0時から午前6時までの間は営業することができません。これは射幸心をあおることを防ぐための規制です。また、都道府県の条例によって、さらに詳細な営業時間の制限が設けられている場合もあります。
遊技料金の上限規制
麻雀店の遊技料金には、上限が定められています。以下のような基準があります。
客一人当たりの時間を基礎として遊技料金を計算する場合
- 全自動式の麻雀台:一時間につき600円
- その他の麻雀台:一時間につき500円
麻雀台一台につき時間を基礎として遊技料金を計算する場合
- 全自動式の麻雀台:一時間につき2,400円
- その他の麻雀台:一時間につき2,000円
これらの料金に消費税相当額を加えた金額が上限となります。この上限を超えて料金を徴収することはできません。
射幸心をあおる行為の禁止
風営法では、射幸心をあおるような宣伝や広告、表示物の掲示が禁止されています。また、現金の払い出しができるようなゲーム機などの設置も認められていません。健全な営業を行うために、これらの規制を遵守する必要があります。
営業者と営業所の要件
風営法4号の許可を受けるためには、営業者と営業所の両方が一定の要件を満たす必要があります。
営業者の要件
以下のいずれかに該当する場合、風俗営業の許可を受けることができません。
個人・法人共通の欠格事由
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 1年以上の拘禁刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の拘禁刑若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
- 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者
- 風俗営業等の許可を取り消されて5年を経過しない者
- 風俗営業等の許可を受けようとする者と密接な関係を有する法人が風俗営業等の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者である者
- 風俗営業等の取消処分に係る聴聞期日が公示された日から当該処分を決定する日までの間、又は警察職員による立入りが行われた日から風俗営業等の許可取消処分に係る聴聞決定予定日までの間に許可証の返納をした者(相当な理由がある者を除く)で当該返納の日から起算して5年を経過しない者
- 風俗営業等の取消処分に係る聴聞期日が公示された日から当該処分を決定する日までの間、又は警察職員による立入りが行われた日から風俗営業等の許可取消処分に係る聴聞決定予定日までの間に合併により消滅した法人若しくは許可証の返納をした法人(相当な理由がある者を除く)が当該消滅又は返納の日から起算して5年を経過しないとき、当該公示日又は立入りが行われた日前60日以内に役員であった者
- 風俗営業等の取消処分に係る聴聞期日が公示された日から当該処分を決定する日までの間、又は警察職員による立入りが行われた日から風俗営業等の許可取消処分に係る聴聞決定予定日までの間に、分割により当該聴聞又は立入りに係る風俗営業等を承継させ、若しくは当該風俗営業等以外の風俗営業等を承継した法人(相当な理由がある者を除く)で当該分割の日から起算して5年を経過しないもの、若しくはこれら法人の取消処分に係る聴聞期日が公示された日又は立入りが行われた日前60日以内に役員であった者
未成年者の場合
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、許可を受けることができません。
法人の場合
- 法人でその役員のうちに第1号から第6号まで又は第8号から第10号までのいずれかに該当する者がある者
- 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者が出資、融資、取引その他の関係を通じてその事業活動に支配的な影響力を有する者
営業所の要件
営業所についても、以下の要件を満たす必要があります。
構造及び設備の基準
営業所の構造や設備は、国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しなければなりません。主な基準は以下の通りです。
客室内部の見通しについて
高さ1メートル以上の仕切りを設けたり、背の高い椅子などによって、客室の内部の見通しを妨げるような設備を設けることはできません。
射幸心をそそる宣伝や設備の禁止
善良の風俗または清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けることはできません。
客室の出入口に施錠の設備を設けない
店外への出入口は除かれますが、客室の出入口に施錠できる設備を設けることはできません。
店舗内の明るさ
店舗内の明るさが10ルクス以下とならないような構造や設備を有する必要があります。
騒音や振動の規制
騒音または振動の数値は、都道府県の条例によって定められており、その基準を満たす必要があります。
立地の制限
条例によって風俗営業を営むことができない地域が定められています。例えば、学校、病院、図書館などの周辺一定の区域内では営業が制限される場合があります。物件を選ぶ際には、こうした立地の制限についても確認が必要です。
管理者の選任
営業所には、業務を適切に管理する管理者を選任する必要があります。管理者は、営業者本人や役員が兼任することも可能ですが、欠格事由に該当しないことが求められます。
雀荘の開業相談はごたんだ行政書士事務所まで
雀荘を開業するには、風営法の風俗営業4号の許可が必要です。許可申請には多くの書類を準備し、営業者と営業所の両方が法令で定められた要件を満たす必要があります。また、許可取得後も、営業時間や遊技料金、店舗の構造など、様々な規制を遵守しなければなりません。
これらの手続きや要件は複雑で、開業準備と並行して進めるのは容易ではありません。スムーズに開業を進めるためには、風営法の許可申請に精通した行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
ごたんだ行政書士事務所は顧客のほとんどがナイト業界の事業者で、風営法に特化して運営しております。雀荘の開業手続きでお悩みの方は是非ごたんだ行政書士事務所にご相談ください。

